ひらめきRPG「帽子世界」というゲームを正しく伝えたい


多彩な成長要素が魅力の“ひらめきRPG”「帽子世界」
帽子の奪い合いから意外な方向へ発展する物語も見どころ
http://www.forest.impress.co.jp/docs/serial/shumatsu/20130215_587819.html

コマンドバトルで攻撃するとたまにひらめくRPG。といえば多くの方がピンとくると思います。「帽子世界」はそれをオマージュした作品であることは間違いないですが、ストーリーやキャラクターはオリジナリティがあり、またUIもとても丁寧に作られていて、個人制作としては異常なほど完成度の高いゲームです。

特にUIの隙のなさには感動しました。個人制作のゲームと市販のゲーム、あるいは大作ゲームと小規模開発ゲームの一番の差は、ゲームのシステムに絡まないディテールに現れます。人も時間も金もないのだから、「そんなところに手間暇かけられない」のです。ところが本作はそこにこだわっていて、静止画を見ても安っぽさがなく、世界観の中に溶け込むようなデザインになっています。

細かいことを言えば、ゲームバランスは悪いところが散見されます。圧倒的に強力なスキル、逆に全く使いどころがないスキル、博打かハメるかしかないボス戦などなど。音楽はとてもいいのですが、自作ではなくフリーで提供されているものを組み込んでいるため、やや統一感に欠けると感じる部分もあります。人によっては、RPGツクールで作られているというだけで卑下するかもしれません。

しかし、そういう細かいところに突っ込みたくなるのは、ゲームの完成度の高さの現れであり、ゲームが面白いことの証明です。一見してダメとわかるようなものや、プレイしていて致命的にまずい部分、プレイヤー側がそれを避けて、自分で楽しみ方を考えるような必要性というのが、このゲームには見受けられません。素直に遊んで、素直に面白かったです。

ところで、記事では「サガ」という名前は意識的に出していません。著作権がどうこうという理由ではありません。記事を読む方でそれらのゲームを知らなければ何の説明にもなりませんが、それはまだいいです。知っている方が、それらのゲームと比較して良し悪しを評価されるのが嫌なのです。

そして書き手としては、「ロマサガ、サガフロみたいなゲーム」という言葉で説明した気になってしまうのが一番怖いことです。これは「サガ」ではなく、「帽子世界」というゲームなのです。

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