台湾旅行記2012/2 (2日目)


引き続き、台湾旅行記です。2日目は台北の観光地として知られる「九份」に行きました。出国前に見た天気予報では、2日目の夜くらいからは雨となっていたので、市外に遠出するならこの日しかないなという判断です。

が、着いてみたら何のことはなく、2日目からザザ降り。天気予報も思い切り雨になってました。とはいえ残り3日間全部雨ならスケジュールを変更する意味もないので、予定通り九份へと出かけました。

移動手段はバス。MRTの忠考復興駅近くにあるバス停から乗れます。料金の支払いはMRTと共通のSuicaみたいなプリペイドカード「悠遊卡(ゆうゆうカード)」が使えます。金額はたぶん100元いかないくらい。

バス停に向かおうとすると、日本語で「どこ行きますか?九份ですか?」と尋ねられました。どうやらタクシーの客引きのよう。紙を見せながら「バスだと140分、タクシーだと40分。2人で乗ったら安いよ」とか言われましたが、バスで140分もかからんのは知ってるし、ちょうどバスも来たのでスルー。どこかのサイトで客引きタクシーは使うなって話も見てましたので。

バスは基隆客運の九份・金瓜石行きに乗ります。平日だったのでさほど混むこともなく、揺られること1時間弱でお目当ての九份に到着……しますが、目指すバス停はその次の「旧道」です。ちなみに運転手さんに紙を見せるなりして九份に行きたいことを示しておくと、この旧道バス停で降りるよう促されました。観光客慣れしてるので、その辺わかってるんでしょう(もちろん中国語なので何言ってるかはわかりませんが)。運転手の林正雄さんありがとー。

バスを降りると、目印になるセブンイレブンがあります。その右脇にある狭い通路が入り口。中に入ると、左右に小さな店が並んでいます。土産屋と屋台みたいな店が大半。台湾の夜市ではおなじみの臭豆腐の店もあり、強烈な匂いもあちこちから漂ってきます。

その先に行くと、さらに細い階段状の通路が出てきます。この坂道にもいろんな店が連なっていて、そこにちょうちんがズラリとかけてあります。この不思議な情緒のある景観が九份の見所です。

ただし。繰り返しますが、この日は思い切り雨です。階段には屋根があるわけでもなく、道は細く、傘を差していると行き交う人がすれ違うのも大変。雨用の靴も用意していなかったので、雨中の登山訓練をしているような気分に。山の上のほうなので景観も美しいはずなんですが、ガスっててなんもわかりません。これはこれで滅多に見られない光景ではありますが……。

途中、猫だらけの場所があって和んだり。たぶん名物でもなんでもない

身体的にも気分的にもぐったりしてきたところで、名物のお茶屋さんで休憩します。「阿妹茶楼」というお店で、「千と千尋の神隠し」のモデルにもなったそう。見てない私は雰囲気程度しかわかりませんが、確かに外装内装とも趣きのあるお店です。店員さんは日本語が通じます。中でも注文を取りに来たおばちゃんは、27年間東京に住んでいて国籍も日本だそうな。でも押しの強さは関西のおばちゃんっぽい。オススメのお茶を半ば言われるがままに注文。

おばちゃんがウーロン茶の入れ方を教えてくれました。小さめの急須に、底が見えなくなる程度に茶葉を入れ、熱湯を半分ほど注いで、すぐに捨てます。続いて今度はいっぱいまで熱湯を入れて、30秒ほどしたら全部器に注ぎます。この時、最初に細長い茶碗に注いでから、すぐ丸い茶碗に移し替えます。細長いほうは香りを楽しむためのものだそうで、移し替えてから鼻を近づけると、ウーロン茶のいい香りを楽しめます。もう一方は普通に飲みます。2杯目も熱湯を急須いっぱいまで注ぎ、時間を5秒ほど長くして出します。これで5~6回飲めます。

このお店では、1杯目はレクチャーついでに入れてくれますが、2杯目以降はセルフサービスです。急須や茶碗セットは日本では見かけないので、台湾でお茶を買ったら合わせて買っておくといいと思います(この店でも茶葉・茶器とも売ってます。市内ならあちこちで見つけられますが)。

そしてこのお店、お茶も美味しいですがお茶菓子が絶品。揚げた芋団子だそうで、ゴマの香ばしさとホクホクした食感、控えめの甘さが素晴らしいです。あと10個くれ! と言いたい気分でしたが、次の予定もあるので引き上げ。

 

お次は九份から離れて、バスでさらに先へ。山の上のほうにある金瓜石にある黄金博物館に向かいます。ここは日本統治時代に金鉱山として栄えた場所です。入場は一部施設が有料ですが、大半は無料です。

 

日本統治時代にできた町の跡だけあり、日本風の建物が多く見られます。その中には、当時まだ皇太子だった昭和天皇が訪れるに当たって建てられた「太子館」があります。庭園や弓道場、コンクリート作りのパターゴルフ場まで揃えた豪華なつくりで、内装を含めて美しいままの形をとどめています。「えらい辺鄙なところに建てたもんだなあ」などと思いましたが、100年前はこの辺りも大いに栄えていたんでしょう。

資料館となる黄金博物館には、当時の様子を語る資料や模型などが置かれています。中には世界最大の金塊(数十億円相当)も置かれていて、直接手で触れます。残念ながら片手では持ち上がりません。表面は削り取ろうとしたような細かな傷でいっぱいです。みんな考えることは一緒だぜ(警備員がいるので変なことはしないように)。

他には当時使われていたトロッコのレールがそのまま残っています。その脇には住居と思われる建物やレンガの外壁もありますが、朽ちて崩れたまま放置されているものもいくつか。これはこれで時代を感じさせるものがあります。

雨と霧は相変わらずで、山の上にあるにも関わらず景色はなーんも楽しめず。黄金博物館はこのくらいにして、バスで再び台北市内へと戻ります。なお帰りのバスは台北行きのものがほとんど来ません。いちおう20~40分ごとに来ることになっていますが、正確な時刻表はないので期待しないほうがいいかも。途中の基隆行きのバスはバンバン来るので、基隆まで行って電車に乗ったほうが手っ取り早いかも。今回は30分ほどバスを待って乗りました。

夕方ごろ台北市内へと戻り、次はお目当ての光華商場へ。MRTでお隣の忠孝新生駅から歩いて5分ほどのところに、光華數位新天地という大きなビルがあります。小さな店が多数入った電脳街ビルで、PCパーツショップが山ほど入っています。他にも携帯電話や各種電子機器、ゲームやアニメのショップもあります。「台湾の秋葉原」などと言われますが、乾電池からノートPC用のバッテリーまで幅広く扱う「電池専門店」が数店あったりとユニークな面もあります。

あまり時間がなかったのでしっかりとはチェックしていませんが、PCパーツの値段は日本で買うのと大差ありません。円高なら台湾のほうが割安では? などと思っていましたが、やっぱり秋葉原は頑張ってるようです。ただUSBゲームパッドが50円くらいで売っていたりと、笑える値段のセール品もあるので、PCオタには十分楽しい場所だと思います。

一通り中を見て回った後、再び駅に戻りました。ここで台湾人のサムさんと合流。以前、取材でお世話になった方で、日本語も達者。この日は一緒に食事する約束をしていました。ちなみに台湾の人は本名とは別に英語名を使うのが好きです。理由は聞いたことないですけど。

サムさんに連れて行ってもらったお店は、果酒大樓? という場所。以前はワインの酒蔵だった場所で、現在はレストランや催事場、コンサートスペースなど、広さを活かした施設があります。観光地ってほどのものはないですが、古い建物も多くて、散歩にはよさそうな場所だと思います。

ここのレストランはバイキング形式で、台湾料理を好きに選んで食べられます。カキの卵焼きなど名物もちゃんとあります。予約はサムさんがしてくれていたので、行ってすぐ食べられるかはわかりませんが……他に日本人の客は見かけなかったので、地元の方に使われるお店なのだと思います。お食事も美味しくいただきつつ、台湾ビールにも初挑戦。すっきりしたクセのない味で飲みやすいです。上海で飲んだチンタオビールに近いですが、もうちょい味が濃い目な感じ。

食事の後は、サムさんにお願いして、近くの夜市を見に行きました。MRT中山駅から徒歩10分程度のところにある「寧夏夜市」です。ここは規模は小さめながら、食べ物が多く集まっていることで有名だそう。確かにほとんどの店が食べ物系で、台湾の屋台っぽい食べ物はほぼ何でも揃っている感じでした。さほど混雑もしていないし(他の夜市に比べれば、ですが)台北の中心地からも比較的近い場所にあるので、食事目当てで行くならオススメです。

そんな感じで、雨に打たれっぱなしの2日目が終了。メインになる観光をしたはずなのに、やたら疲労感のある1日でした……。

つづく。

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