台湾旅行記2012/2 (4日目)


台湾旅行記は4日目、最終日です。この日は帰国日でしたが、空港への出発時間が13時過ぎと遅めだったので、まだ少し観光の時間が取れました。

あまり遠くには行けないので、台北の中心地近くで面白そうなところはないか……と調べた上、台北二二八和平紀念館に行くことにしました。ここでは台湾の歴史において極めて重大な「二・二八事件」について学べます。前日に訪れた中正紀念堂も、ここを訪れると意味が違って見えてきます。

台北二二八和平紀念館はMRT台北駅から1駅、台大病院駅の間近にあります。さほど大きな建物ではありませんが、それもそのはず、元はラジオ局だった場所です。入場料は20元(約50円)。中にある受付で、追加料金なしで日本語音声ガイドも借りられます(パスポートを預ける必要があります)。

ここでは1947年に台湾で起きた二・二八事件について学べるわけですが、それより前、100年少々前の日本統治時代のあらましから台湾の歴史が紹介されています。非常に興味深い内容なので、流れがわかる形で説明していきます。

台湾は日清戦争後から太平洋戦争終戦までの約50年間、日本の統治下にありました。ここでの日本の統治が素晴らしく、台湾は現在も親日姿勢……などと思っている人がいるかもしれませんが、それは間違い。扱いとしては植民地であり、日中戦争が始まると日本語の使用強制や文化的な思想改革も行い、最終的には徴兵もして多くの台湾人が亡くなっています。歴史的に日本のことを好きになってくれる、という答えが出るようなものではありません。

最初は中国を歓迎している

ただ事情が違ってくるのが太平洋戦争後。台湾は中華民国に接収されます。この時の中国のリーダーが蒋介石です。台湾人は「長かった日本統治から解放された!」と喜んだのですが、結局は中華民国による支配に変わっただけでした。

支配する中華民国の人は、台湾の外から来たという意味で「外省人」と呼ばれます。彼らは基本的に北京後しか話せません。対して、元から台湾にいた人は「本省人」と言います。外省人は支配者であり、特権階級を与えられます。この外省人による政治は酷く腐敗していて、本省人は大いに失望します。なおかつ言語はこれまで押し付けられてきた日本語から、北京語に変えられます。台湾には現地語もありますが、結局それは公に認められません。

そんな中で1947年に起こったのが、二・二八事件です。当時は専売制となっていたタバコを本省人の女性が密売していて、それを見つけた役人と警察が銃で殴りつけるなどして強引に没収します。当時、大陸本土ではタバコの自由売買が既に認められており、「何で俺らがそこまでされんといかんねん」と怒った本省人達が集まり始めます。大勢の人に詰め寄られて焦った役人は、銃を発砲。集まった本省人の1人を射殺した上、その場から逃げてしまいます。

これを契機に、溜まりに溜まった本省人の不満が爆発します。事件の翌日、本省人達は大規模なデモを起こし、街中を行進しながら、専売品を扱う施設や役所へと乗り込みます。これに対して政府軍は銃で応戦し、またも本省人に多数の死者が出ます。

このデモの中で、あるラジオ局が本省人に襲撃されます。ラジオを通して、本省人が銃撃されたことを台湾全土に伝えようという狙いです。このラジオ局は政府側のもので当初はそれを拒みますが、結局は銃撃の事実をラジオで知らせることになります。このラジオ局が、後にこの台北二二八和平紀念館になります。

こうして台湾全土に情報が知れ渡り、各地で本省人によるデモ活動が起こります。数日のうちに急激に広がり、場所によっては政府軍が押し切られ、主要施設が奪われる事態も発生。蒋介石に台湾を任されていた陳儀は、本省人との対話のテーブルを開き、本省人の政治参加などの話が進められます。かなり具体的な文言がやりとりされており、一種の革命が急速に進んでいきます。

……と思いきや、実はこの陳儀という人物、本省人と対話しているように見せかけつつ、ちゃっかり裏で蒋介石に連絡しています。しかもその内容がすごくて、「独立運動による反乱が起こってるんで軍隊よこして殲滅しちゃってください」と伝えています。「騒ぎを鎮めて」ではなく「殲滅して」と言っているのがポイント。対話姿勢は援軍が来るまでの単なる時間稼ぎです。

処刑されたエリートの遺書と衣服も展示されている

しばらくしてから援軍が到着し、反乱勢力(と政府が認めたもの)は文字通り殲滅されます。この時に多数の本省人が虐殺されています。また独立を狙った反乱という扱いから、今後の反乱分子を生まないため、本省人のエリートが次々に投獄・殺害されます。

これでこの事件はいったん幕引きとなります。この事件の際に発令された戒厳令は、その後40年間に渡って出されたままになり、1987年にようやく解除されます。事件については長らくタブーとして扱われ、1988年に李登輝が本省人として初めて総統の座に就き、ようやく語ることが許されたという経緯があります。何せ捕まった人たちは、その後数十年は反乱分子であり罪人扱いだったんです。

……といったところで、台北二二八和平紀念館での説明は終わります。台湾ではその後、毛沢東との戦いに敗れた蒋介石が落ち延びてきて、「台湾は中華民国だ」と言って長く居座ります。蒋介石は1975年に亡くなり、彼を讃える中正紀念堂が1980年に完成します。

この話を総合すると、実に巨大な中正紀念堂は、外省人、つまり中華民国による台湾支配の象徴として建てられたもの、ということになりそうです。この辺は台湾の人々がどう考えているのかまで調べたわけではありませんが、本省人にとって中正紀念堂というのは、あまり気分のいい代物ではないのかもしれません。

あと台湾の人が親日姿勢なのは、おそらく中華民国による支配に比べれば日本支配のほうがまだマシだったという歴史(五十歩百歩ともいえるでしょうが)、あとはやはり近隣国で最も発展を遂げた国として、目標であり憧れの対象である、といった面が強そうです。日本語を話せる人や、日本語を学ぶ人が多いのも、「日本人が好き!」というのではなく、歴史的に話せる人がいることと、稼ぎ先として有望だからという合理的な理由から来ているんだと思います。台湾の人に確かめたわけではないので、実際のところはわかりません。私は台湾も台湾の人も好きなんで、日本のことも好きでいてくれるといいなあとは思います。

もう旅行記でもなんでもない話を長々としてしまいましたが、旅のほうもこれで時間はほとんどなくなり、最後に再び小籠包を食べに行くことに。ホテルの近くにある「金品茶樓」というお店です。

このお店は鼎泰豊で長年働いていたというシェフがおり、小籠包の味は鼎泰豊に勝るとも劣りません。ただし値段も鼎泰豊に劣りません。鼎泰豊に行ってから、こちらもどうぞ、という程度。味にすごい違いはありませんが、個人的にはこっちのほうが好きかな? という感じ。ツアーのコースに組み込まれることもあるようで、日本人客もいっぱいいました。

しかし、この店の真のオススメは小籠包ではありません。ちと名前を失念してしまいましたが、普通の小籠包よりさらに小さい小籠包があります。酢醤油ではなく、スープと一緒に食べます。この店を含め、鼎泰豊系の小籠包は薄皮が特徴なのですが、この小さな小籠包はさらに皮が薄く、肉とスープの割合が増していて実に味わい深いです。最初、店員さんがスープを持ってくるのを忘れていたようで、さっさと酢醤油で食べてしまったのですが、そっちも普通の小籠包よりずっと美味しくいただけました。お値段は15個で250元。メニューで絵を見ればコレかとわかるはずなので、ぜひお試しを。

お食事をいただいた後、まだ集合時間に余裕があったので、少し散歩してみました。なにやら金ぴかな建物が見えたので奥の通りに行ってみると、そこは単なる飯屋だったのでスルー……ですが、その途中によさげな感じのお茶屋さんがあったので入ってみました。

中には初老の夫婦がいらっしゃって、こちらが日本人とわかると日本語で話してくれました。さらに「美味しいお茶を試飲していって」と次々にお茶をだしてくれます。この強引さはどうやら台湾のおばちゃんに共通な様子。出してくれたお茶は4種類ほどで全部ウーロン茶らしいんですが、どれも全く味が違って驚きました。

そんな感じでお茶をいだだいている間に時間が迫ってきたので、美味しかったお茶を買いつつ店を出ようとすると、なにやら紹介状か手紙のようなものを持った日本人のお姉ちゃんが来店。場所的にはずいぶんわかりづらいところにありましたが、知る人ぞ知るお店だったようです。おばちゃん曰く、日本人のファンが日本人向けの通販もやってくれてるそう。「瑞泰茶荘」というお店です。おばちゃんもしっかりホームページに載ってます。

これで台湾旅行は終了……と見せかけて、まだあります。帰りの飛行機で、私が長年愛している機内ゲームの写真を撮影してきました。その名は「インベージョン」。名前のとおり、インベーダーゲームっぽいものですが、少しずつ内容がバージョンアップしていて、グラフィックスもどんどん綺麗になってきています。

このゲームのポイントは、左右のシールドで敵の弾を吸収し、特殊ショットのエネルギーに変換するというところ。正面から食らうとダメージになりますが、落ちてくる敵弾に「横からぶつかる」ようにすれば吸収できます。貯めたエネルギー量によって発動できる特殊ショットが変化し、最大まで貯めると敵弾を打ち消してブチ抜く極太レーザーを撃てます。カウンターショット要素もあり、レーザーで敵弾を打ち消すとエネルギーに変換されます。思い切り引き付けて打てばレーザー長持ち。

難易度選択も可能ですが、ゲーマーならハードモードでも所見でノーミスクリア可能な程度の難易度です。クリアに要する時間は1時間弱くらい。今回遊んだのは私が知る限りでは最新版で、連射対応(昔はボタン連打しても画面に2発までしか出なかった)だったり、敵の弾幕がすごくなっていたりと、色々パワーアップしています。なお全ステージをクリアすると、ボスだけが登場するボスラッシュモードもプレイできます。それをクリアすると終了です。終了したからといって何かあるわけではないです。

以上、台湾旅行記4日目、最終日のレポートでした。なお今回の台湾旅行ではもう1つ、個別で語りたいネタがあります。デジタル系オタ必見、「台湾でデータ通信SIM を買うの巻」です。

つづく。

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