花粉症対策の基本をチェック


前回は花粉症の大変さについて訴えましたが、何より大事なのは、患者自身が花粉症の症状を軽減することです。今回は意外と見落としがちな基本的な部分をチェックしていきます。

花粉症対策の基本は、花粉を体内に取り込まないことと、花粉を屋内に持ち込まないことです。

1. 花粉を体内に取り込まない対策

対花粉症グッズといえばマスクです。まずマスクについては、特別高価なものでなくてもかまいません。高価なもののほうが遮蔽性は上がると思いますが、マスクの奥まで花粉が入り込むのは、実際のところマスクの上から滑り落ちてくる分のほうが多いような気がします。よって、1回使ったマスクは2度と使わないこと、鼻の形にフィットするものを選ぶ(針金が入ったものなど)のがポイントです。

目から入る花粉については、目をぴったり覆うゴーグルのようなものもあります。最近は一見するとただの眼鏡にしか見えないものもあるのでオススメです。

普段から眼鏡をかけている人は普通のゴーグルは使えません。眼鏡の上からつけられるオーバーグラスタイプというのがあるので、それを探してみてください。ただし、眼鏡によってサイズが合わないこともありますし、そもそもオーバーグラスタイプの品も多くはないので、合うものを探すのは大変かもしれません。

「そこまでせんでも」と思う人は、普通の眼鏡があるだけでも結構違います。風に乗って飛ばされてくる花粉を正面から受け止めなくてよくなりますので。

2. 花粉を屋内に持ち込まない対策

屋外で花粉をかぶるのは仕方ないとして、屋内でも花粉が舞うようでは落ち着ける場所がなくなってしまいます。花粉症対策としてはむしろ屋内に花粉を持ち込まないことのほうが大切です。

まず外から帰ってきたら、玄関で体に付着した花粉を払い落とします。衣服についた花粉は、ブラシでくまなく払います。花粉症用をうたうブラシもありますが、払えるなら何でもいいとは思います。払う時、コートの部分だけを払うような人も多いと思いますが、頭からつま先、バッグまで、しっかり払うのがポイントです。さらに徹底的にやりたければ、カーペットの掃除に使うコロコロを使うのもありです。

次に体に付着した花粉を落とします。しっかり洗顔して目や鼻についた花粉を落とします。そして一番重要なのは、頭。花粉も重力につられて落ちてきますので、頭に花粉が乗ったままではいけません。これもブラシで払うだけで効果はありますが、できれば軽く水で濡らして拭くくらいはしたいです。

それが難しいようなら、最初から帽子を被ってしまうのも手です。これなら帽子を脱いで払うだけでOK。つばの長い帽子なら花粉避けにもなるかも。ファッションの一部として楽しみながらやってみるのもいいと思います。

そのほかにも、花粉を屋内に取り入れてしまうケースはあります。花粉症ではない家族は気にせず家に入ってきてしまうので、丁寧に払ってもらうようお願いします(払ってあげようとすると自分が花粉を浴びますので注意)。

洗濯物は屋内干し、あるいは乾燥機を使います。布団干しも厳禁。室内の掃除は丁寧にやるべきですが、窓を開けたら意味がありません。空気清浄機を入れるなりして対処します。とはいえ最近の掃除機は排気も綺麗なので、あまり気にすることはないです。

一番の悩みどころは換気扇。室内の空気を外に出すということは、どこかから屋外の空気が入ってくるということです。マンションであれば概ね玄関辺りから入ってくるはずなので、さほど気にする必要はない場所だと思いますが、なるべく換気扇を使わないようにするほうがいいのは間違いありません。

それでもどうしても換気したい! 窓を開けたい! というときは、雨の日を狙いましょう。湿気た空気を入れても……と思うでしょうが、花粉症患者にはそれが限界です。雨の降り始めではなく、降って地面が濡れている時のほうが花粉の飛散量が少なく安全です。

3. 花粉のないところに行く対策

スギ花粉がダメならスギのない場所に行けばいい、という究極の作戦です。スギは日本の国策として植えられたものなので、海外でスギ花粉症を発症することはまずないでしょう。

国内にもスギが極めて少ない地域が2つあります。まず北海道。スギがほとんど自生していません(南部には少しある)。また沖縄は気候的にスギが育ちにくいため、ほぼありません。これらの場所ではスギ花粉症は出ないはずです。ただし、スギ以外の植物の花粉は飛んでいるので、それらのアレルギーがないか調べておく必要はあります。

3番目は余談でしたが、花粉対策として基本的な話はこんなところです。残念ながら、1と2をきちんとやったところで、屋外に出ることがあれば結局は発症してしまいます。そうなれば次は症状をどう軽減させるかという話になります。次回は花粉症の薬や治療法について、私が知る範囲で最新の情報をお伝えします。

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