Tactical Manual for Tanarus No.305
指揮について・基礎編

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 ここでは、チームをまとめ上げて戦闘を組み立てていく、指揮についての話をします。とはいえ現段階でいくら話をしても、すぐに指揮が出来るわけではありません。まずは段階を経て練習し、指揮がどういうものであるかを正しく理解してもらうために、この項を書こうと思います。

 これを読むと指揮が非常に重要で、かつとてもすばらしいことのように感じるかもしれませんが、それは意図的です(謎


・指揮とは
 いままで戦場で「GO」や「BACK」という単語を聞いたことがあるでしょうか。無差別戦場で何度も戦闘を行った人ならば、まず一度は聞き覚えがあるはずです。RUSHのためにチーム全員を同時に動かし、また被害を最小限に食い止めるために下がらせる。これらのチーム全体を引っ張っていく動作やチャットを指揮と呼んでいます。

 これだけでも、そう簡単なことではないのは分かると思います。さらに実際の戦場では決まったメンバーが同じチームに集まると言うことがあまり無いため、いわば寄せ集めであるチームを引っ張っていくということはかなり難しいのです。チームメンバーの装備や実力、動きの癖までを考えて、どのように攻めるかを決定しなければ、チームを引っ張っていくことは出来ません。

 しかし、寄せ集めのチームであるからこそ、誰かまとめ役になる人がいなければ、ずっとただの寄せ集めでしかありません。それに指揮によって、自分のイメージする戦闘を行うことが出来ます。誰かに言われて動いているだけで満足であるとか、一人でやっている方が楽しいであるとか、そう言う方はこれ以下、指揮についての項を読んでいただく必要はありません。ですが自分で人を引っ張って、戦況を好転させることが出来たら、それは一つの戦車の乗りこなしがいくら上手いよりも、すばらしい実力を持つことなのかもしれません。

 ただし、指揮は全ての戦場で必要なものではありません。それもTanaを深くプレイしていくと分かってくることでしょう。しかし逆に自分の納得できない戦闘というものも必ず出てきます。そこで落ちて不満を言うだけのプレイヤーになるのか、自分からその戦況を立て直すべくチームを引っ張るのか・・・後者でありたいという方は、是非これからの文章をしっかりと読んでいって欲しいと思います。


・情報の提供
 指揮者を目指すに当たってまず必要になるのが、戦場の様子をチームメンバーに提供することです。例えば、赤を相手に戦っていたら、レーダーに緑の戦車の反応があったとします。このとき、速やかにチャットで「レーダーに緑の戦車が見えます」と言います。その後、緑の戦車が赤と同時に攻め込んできたとして、さらに緑に気づいたのが自分だけだったとしたら、ここで情報を出しておくのと何も言わないのでは、大きな差が出てくるはずです。自分だけ気づくなんて事があるのかと思うかもしれませんが、相手がRECINしてステルスがはずれた一瞬が見えたであるとか、自分が一番緑に近く、自分のレーダーだけに映ったであるとか、味方が前の敵に気を取られていたであるとか、考えられる要因はいろいろあります。

 情報はなるべく詳しく出します。上の例でも、緑の戦車がこちらに向かってきているのが確認できたのなら、「緑が来ています」と言えばいいでしょうし、RECで止まっているようなら「緑が手前のRECで待機しています」と言えばいいでしょう。また相手がステルスを装備しているのであれば「緑がステルスで近づいていそうです」とか、「Van3機とMagが見えました」と言うように、敵の機数や種類を言うのもいいでしょう。

 例を変えましょう。戦闘中にチームがある程度離れるのは良くあることですが、目の前の敵を倒した後に、右方向で味方が苦戦しているのを見つけたとしたら、チャットで「右で戦闘中」と書くといいでしょう。敵を倒して安心して一度戻ろうとしている味方もいるかもしれませんから、その後の素早い対応に繋がります。

 ここまで来ると、すでに指揮をしているのと同様の部分もあります。他にも「地雷をまいている敵がいる」であるとか「FCに来ている」であるとか「赤が3人に減った」であるとか、伝えるべき情報はいくらでもあります。戦況が変化したと見れば、それをすぐに味方に伝えるのです。これ自体が状況把握の練習であり、臨機応変に指示を出すための練習なのです。どんどん情報を出して、その後の戦況を見ていけば、ある戦況に対しての対応が自然に分かってくると思います。「右に緑が見えたから少し下がって警戒」というような指示を出せるまでになれば、それが指揮になるということです。

 もちろん、それが指揮の全てではありません。ですが、状況を把握できない人に指揮は出来ません。まずは状況を見て、それを味方に伝える。そこまでの練習を積んで欲しいと思います。状況把握力の強化と、情報を仲間へ正確に伝える能力、この2つが指揮をする前に必要になる課題です。


 たかがそれだけのことという風に見えるかもしれません。しかし実戦では常に戦況が移り変わります。良い情報も数秒で賞味期限が来てしまいますから、実際はかなり忙しい作業です。情報を出来る限り広く正確に探り、素早くチャット入力をして味方に知らせなくてはなりません。それが出来れば、今度はチーム全体を引っ張る指揮そのものの話に進みたいと思います。