Tactical Manual for Tanarus No.304
シールドシフト・基本編

前に戻る / リストに戻る / 次を読む

 ここでは、個々の実力差を大きく開かせるテクニックである、シールドシフトについて解説します。特にDUELではシフトの巧さが勝敗を決めると言っていいほどで、上級者を目指すには無視して通れない、必須テクニックです。


・シールドの回復について
 シールドが自動的に回復するのはすでにご存じでしょう。死んだ直後やRECから出た直後など、シールドが0からどんどん回復していますし、敵の攻撃でダメージを食らった後に放っておくと、またシールドが元に戻ったりします。

 このシールドですが、前と後ろの2つに分かれています。シールドブーストをしていると、通常時に前後ともに100のシールドが配備されます。回復の限界値は、この場合でこの前後100となります。


・シールドシフト・超基本
 このシールドは前後の配分を変えることができ、前に200のシールドを集め、後ろは0(シールドがない状態)にする、ということも可能です。これを利用して、ダメージを受けている側に全てのシールドを移動すれば、倍のシールドがあるのと同じ意味になります。正面で撃ち合っている時は、前に全てシールドを回し、後ろから追いかけられているときは、後ろに全てシールドを回す、という感じです。これで何もしないよりは、かなり長生きできるでしょう。


・シールドシフト
 上で書いたシフトは、ごく単純なものです。シールドの配備を動かすことが出来るのを知っていれば、簡単に思いつくことでしょう。ここで書きたいシールドシフトのテクニックは、さらにシールドの回復を有効に利用したものです。

 シールドが回復することはすでに述べたとおりです。ここで重要なのは、この回復が前後のシールドで独立しているということです。前のシールドだけがダメージを受けた場合、通常は前だけが回復し、後ろは何も変化しません。これをシールドの移動を上手く使うことによって、片方だけでなく前後同時に回復させてやろうというのが、このテクニックです。


・シールドの操作方法
 具体的な操作の流れを説明します。まず前後100の状態で、前に50のダメージを受けたとします。シールドの残りを(前−後)として表記すると、(50-100)となります。ここではこれを基本として考えます。

 この状態から、そのまま放っておくとします。すると徐々に前のシールドが回復していきますが、その間に後ろのシールドに変化はありません。これでも時間さえ経てば(100-100)になりますが、後ろの回復が使えていないので、その分時間をロスしていることになります。

 では今度は基本状態から、後ろにシールドを移動します。キーやボタンで移動している人は、一回の移動で25のシールドが動くことになります。しかしこの場合、シールドが動くと考えるよりも、シールドの最大値が変化する、と考えた方が良いでしょう。見た目のシールド値は(50-100)のままですが、限界回復量は(75-125)となります。この状態で待機すると、前のシールドが現在50で最大値が75、後ろが現在100で最大値が125、となります。こうなると前後両方が最大値に達していないことになり、回復が両方で行われます。回復のスピードは前後同様で、両方が同時に回復しているからと言って回復が遅くなったりはしません。もう一度言いますが、シールドは前後で独立して回復します。このまま放っておけば、(75-125)というシールド量になります。あとはこれを前に戻せば、元通り(100-100)となるわけです。

 具体的に、回復のタイミングを書いていってみましょう。左が何も操作しなかった場合、右がシフトをした場合です。

初期状態 (50-100) (50-100)
10回復時 (60-100) (60-110)
25回復時 (75-100) (75-125)

 どちらが有利かは、もうおわかりでしょう。言葉でまとめるとすると、前後両方が回復限界値に達しないようにシールドをシフトするということです。

 実戦で投入する場合のこつとしては、基本的にダメージを受けている方にまず大きく回します。前からダメージを受けている場合は、いったん前に大きくシフトして最大値を(200-0)または(175-25)にし、後ろのシールドが十分に前に移動したのを確認してから、シールドを少し後ろに戻して(150-50)(125-75)などの状態にします。前からしかダメージを受けない状態ならば、この方が安全でしょう。突然集中を受けたり、ラグでまとめてダメージが来る可能性もあります。前後を回復限界に・・・とばかり考えていて、撃たれている方のシールドが無くなってしまったのでは、シフトの意味もありません。


・シールド移動の原理
 順番があべこべになりますが、念のために説明しておきます。シールドは、回復限界値を越えた場合、例えば、(100-100)の時に限界値を(200-0)にすると、後ろが限界値を超えている訳ですが、このような時に反対側に移動していきます。ですから、現在値が(25-25)の時に、限界値を(100-100)から(175-25)や(25-175)にしても、シールドには何の変化も起きないと言うことです。当たり前のことと思うかもしれませんが、シールドをフルに活用するには、これをきっちり頭に入れておく必要があります。シフトしたつもりでも実は無意味だった、なんてことにはならないように気を付けてください。


・シールド移動・回復の具体的な数値
 原理の説明が終わったところで、どのくらいの数値で移動や回復がされるのかを解説します。まずシールド移動・回復とも、1/4か1/5秒に1回程度という、決まったタイミングで行われます。これは回復の様子を見ていると、どの程度のタイミングなのかが分かるでしょう。この時間を単位時間として、回復の量などを考えていきます。

 回復量は、1単位時間当たりに前後2ずつです。最大値に達している場合は当然回復しません。移動は1単位時間当たりに14です。移動と回復は同時に行われます。具体的にはどのようになるかを単位時間ごとに示すと、

初期値 (50-100) < 前に25シフト、限界値(125-75)
時間1 ((50+14+2)-(100-14))=(66-86)
時間2 ((66+11+2)-(86-11))=(79-75) < 後ろに25シフト、限界値(100-100)
時間3 ((79+2)-(75+2))=(81-77)

 ・・・と、このような流れになると思われます。数学の計算式みたいになってしまいましたが、少し我慢して見てやってください。


・シールド回復の例外
 今までは、周りに何も邪魔なものが無く、素直に回復した場合の話をしてきました。ですが実戦では当然敵の攻撃もあり、予定通りの回復は出来ません。さらにシールドの回復は、ダメージを受けると別の要因が出てきます。

 まず、敵の攻撃によって前後どちらかのシールドがはがされた場合、約2秒間、シールド回復が停止します。自動的に回復するはずの2のシールドはもちろん、反対から送り込んだシールドも全て無駄になります。例を挙げると、ダメージを食らって前のシールドがはがされ、(0-100)の状態になった直後、後ろからシールドを前に送り込んでも2秒間は回復しません。また送り込んだシールドは全て消え去り、後ろのシールドがただ減っただけ、という状態になります。ただし自分からシールドをOFF、または最大値を0にした場合は、撃たれても2秒間のペナルティはありません。

 例外はもう一つあります。敵の攻撃を受けた瞬間は、僅かながらシールドの回復が止まる、というものです。これは前に食らっても、前後とも回復が止まります。Vanではかなり短く、よく見ていないと分からない程度です。しかしBoostMag、BoostLigではこれがはっきりとわかり、1秒はシールドの回復がありません。つまり、BoostMagとBoostLigでは、Mk4を連続で食らう限りは回復しないということです。この話は以前にも出しましたが、シフトについての話を知った今なら、この問題がよりよくわかると思います。ベイを2つ消費しても、Vanほどのシールドの恩恵は得られない、ということですね。


・練習方法
 誰かと向かい合って、号令と同時に動かずに撃ち合う。これが一番簡単なシフト練習でしょう。しかしこの効果はなかなかのものです。効率のいいシフトの方法を考え、体にシフトを覚えさせるには、一番手っ取り早い方法ではないでしょうか。シフトをこれから練習するなら、是非この方法をお勧めします。ある程度慣れてくれば、あとは実戦が一番のシフト練習場所となるでしょう。


 シフトについてはこのくらいです。まだ少し細かいテクニックが残っていますが、ここに書いたことを完璧にこなすことが出来れば、実戦ではほとんど困らない程度のシールド回復が望めるでしょう。ちなみに、シフトの巧さを計る基準のようなものとして、「正面で誰かにMk4を撃ってもらい、何発耐えられるか」というものがあります。シフトを覚えたてであればおそらく22発付近、慣れてくれば25発くらいは出ると思います。JPTanaでの最高記録は31発で、数人のプレイヤーが時々出せるという程度のもののようです。一流プレイヤーと言われる人は、常に30発を安定して出してきます。ちなみに私はほとんどやったことがないのですが、1999年4月頃にやってみた時に、最高29発でした。シールドは全然二流って事ですね(汗) 今はプロバイダと操作デバイスを交換したので、30発も夢ではない・・・といいんですが。