Tactical Manual for Tanarus No.501
指揮について・RUSH攻防編

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 RUSHを仕掛けても、どうも良い成績が残せない。指揮をしても、味方との連携が上手くいかない。そんな方のために、ここではRUSHに的を絞って、指揮での常套手段と、状況対応について述べたいと思います。


・戦力の見極め

 敵味方が決まったメンバーではありえないのがTanarusです。まず最初は、戦法にはこだわらず、RUSHを仕掛けてみるのがいいでしょう。最初の3戦程は、攻め方を変えながら、状況を見極めることに専念します。

 見るべき点は多くあります。彼我の戦車と装備、足並みの揃い方、集中の良し悪し、平地と障害物のある位置でどちらが優位に戦えているか。それらを分析して、攻め方を決めていくことになります。


・常套手段

 ここでの常套手段というのは、被害を最小に抑えつつ勝つことを前提としています。RECでの戦闘では安定を求められないため、平地での戦闘を推奨します。

 攻めるときは、いきなり突撃しないことです。中距離の撃ち合いで集中を徹底し、突出した敵を全力で撃ちます。それなりにまとまりの取れた敵であれば、シールドを剥がしても、カバーが入ります。そこに味方を突出させず、カバーした敵を集中するようにさせます。

「突出しないで」「周りを見て、離れすぎないで」「カバーしっかり」「集中先を良く見て」
 この辺りの指示が重要になります。

 これで敵を1機倒すことが出来たとしても、まだ突出してはいけません。5:4ならば、さらに有利に中距離戦を展開できます。相手が下がらない限りは、そのまま中距離で崩していくのが理想です。突撃して、無駄な被害を出す必要はありません。敵が下がり始めたときは、敵のしんがりをきちんと集中して各個撃破します。このときも突出は避け、なるべく編隊を広く取って、集中を弱めないことを意識しましょう。こうして攻め上がれば、復帰してくる敵も各個撃破することが出来ます。味方にもそれなりに被害が出てくるでしょうから、敵が集まってカウンターを仕掛けてくるタイミングを読み、その前に引くことが重要です。

「前に出過ぎないで」「レーダーで敵の復帰に注意して」「集中をしっかり」
 勢いに任せて出てしまう味方を抑え、じわじわと進めることがポイントです。

 中距離戦で削り負けてしまったときは、なるべく早く下がっていくことです。後ろを向いて走るのではなく、前か横を向きつつ射撃し、カバーを徹底させながら下がります。自軍BASEに近づくほど、味方の復帰が早くなり、体勢の立て直しが楽になります。

「下がりつつ応戦」「集中されたら素直に下がって」
 被害を最小に抑え、戦いを長引かせるための指示が必要です。

 これで勝てれば、この戦闘を続ければいいでしょう。指示を徹底しても負けてしまう場合は、攻め方を変える必要があります。


・戦場の設定

 上で何気に『平地での戦闘を』と書いていますが、RECにいる敵が降りてくるとは限りません。特に、REC下から執拗に射撃を行っていては、逆に敵が降りてこられなくなります。敵にRECを降りてもらうために、ちょっと頭を使います。方法はいくらでもありますが、私が好んで使う方法を紹介します。

 REC上にいる敵を無視して、他方の色へと侵攻して見せます。それも、RECにいる敵に見えるようにするのがポイントです。素直な敵なら、追いかけてくることが多いはず。RECを降りたことをレーダーで確認できれば、すぐに引き返します。引き返す位置は、戦闘する位置を意識しながら調整しなくてはいけません。細い通路を出たところで鉢合わせ、なんて状況にしては何の意味もありません。特にこのとき、自軍BASEに近い位置を設定できれば理想的です。

 MagやLigで横から牽制し、VANは射撃が届かない程度の距離で待機します。打つ必要はありません。統率の取れた相手であれば、横の牽制役を倒しに突撃するか、数的有利が見られるVANへRUSHをしかけるかと考えるはずです。前者であれば、牽制役は一目散に逃げ、VANが追撃します。後者ならば、牽制役がそのまま横から攻撃を続け、待機組で集中を仕掛けます。


・地形の利用

 RECを見て分かる通り、狭い通路に突っ込むと、その先の広い場所で待ち構える敵に集中攻撃されます。これをREC以外の場所でも意識して利用します。

 数的に不利な時は、障害物にはさまれて狭くなる場所を通過します。このときに集中されやすいので、その点には十分に注意が必要です。そこを超えれば、なるべく広く展開し、追撃してくる敵を集中します。先頭で飛び込んできた敵は、後ろに戻ることも困難で、とにかく中に入ることを余儀なくされます。この時点で、有利な戦況を作り上げることが出来ます。

 無論、これは逆の立場でもありえることです。一瞬でも細くなる場所を通るときには、出た先の敵の状態を良く見てから進むようにすることが大切です。

 また、攻め上がっているときには、ここがBACKのタイミングにもなります。こちらが攻め込みにくい分、相手も追撃を仕掛けにくい場所でもあるためです。


・有利な戦場の選択

 細い通路で戦闘になった場合、硬い戦車の方が有利であることは言うまでも無いでしょう。それを考えれば、戦場の選択は容易です。

 敵にLig、Magのような軽めの戦車が多い場合、通路やRECなどの混戦になりやすい場所を選ぶようにします。動きで敵を翻弄したいところが、どうしても正面での撃ち合いになる事が多く、力を発揮しきれません。意図的に混戦の状態を作り、平地に出ないように指示を与えます。

 逆に味方にLig、Magがいる場合は、平地で戦闘をする方がいいでしょう。これらの戦車を横に回して陽動させ、主力で中距離から削るようにします。正面に攻撃を集中させにくくするとともに、横からの攻撃によって、削った戦車に止めをさすことも期待できます。この場合、MagやLigの位置取りと動きが非常に重要になります。接近しすぎて先にやられてはダメですし、離れすぎて無視されてしまうようでも役に立ちません。

 戦車の特性と戦場の形を考えながら、戦闘位置や方法を指示することも必要です。指揮者の意図を正しく伝えるため、出来るだけ多くの指示を出しておくのが理想です。


・チャットの重要性

 戦闘しながらでも、指示は出すべきです。特に突撃をかけるタイミングは、中距離での射撃の中の隙を見つける必要があります。自分の動きを見て理解してくれる味方であれば言うこともありませんが、そういかないことが多いはずです。

 撃ちながらチャットというのは、キーボード操作の人には不可能です。パッド・スティックユーザの特権ということになります。ちなみに私はスティック操作ですが、左手でチャットをしながら、右手で戦車の操作(移動と射撃だけになりますが)が出来ます。これが出来れば、戦闘中でも細かい指示を伝えることが出来るので、RUSHの成功率は格段に上がります。

 ついでに、味方から見ても格好いいと思います(笑)


・RUSH指揮時の考え方

 有利なときに攻め上がり、不利なときに下がる。当たり前ですが、この見極めが重要です。

 多くのパターンを試行すること。各個の戦力に期待したワンパターンな攻め方では、事態はなかなか好転しません。

 成功した攻撃パターンをなるべく多用し、失敗したパターンは避けること。上手くいかない戦法を繰り返す指揮者は要りません。また成功したパターンも、ワンパターンにならないようにします。敵に対策を取らせないよう、同じパターンを連続して使わないということもポイントです。


・どうしても勝てない場合

 アイデアを振り絞っても、戦力の差が大きすぎて勝てない場合もあります。勝てない勝負はいっそ捨ててしまって、横や対角に攻め込むのも手です。そして戦場を荒らしつつ、相手を正面から横にすりかえます。もちろん、それで勝てるとは限りませんが、そういう発想を持っておくことも重要です。


 消極的な戦法が多いように見えるかもしれませんが、突撃を繰り返すことだけがRUSHではないのです。機械的な指揮をするのではなく、柔軟に多様な戦法を考えるよう心がけてください。

 ちなみにここに書いたことは、割と正直な対応ばかりです。相手も人間ですから、奇策や罠もまだまだあります。これはまた、別の機会に。