台湾旅行記3日目です。この日は雨だろうと予想していたので、なるべく屋内気味になる台北市内観光のスケジュールを組みました。具体的には、台北地下街、西門町辺り。すなわちオタショップ巡りでございます。
朝起きて外を見てみると……曇ってはいますが雨はほとんど降ってない様子。昨日見た天気予報では大雨だったような? と天気予報を見直してみると、曇り時々雨になってました。この時期の台湾の天気予報はあてにならんようです。
泊まっていたホテルの最寄り駅となるMRT雙連駅から、2駅行けば台北駅です。ここはMRTだけでなく、台湾の新幹線である台湾高鐡の駅もあります。駅前は巨大なビルが立ち並び、いかにも台湾の中心地という感じです。が、我々が見るのは地下街です。
台北地下街の入り口を見つけて入っていくと、いきなり等身大くらいのキャラクターが現れました。我々こういうのに耐性あるんで大丈夫ですけど、普通に買い物に来てコレ置いてあったら引くよね……。このキャラクターは台北地下街の正式なマスコットキャラのようで(こんだけ堂々と立ってて非公式なわけもないが)、パンフレットや地下街のポスターなどにも使われています。イラストレーターさんは日本のコミケにも出してるんだとか。こういうところは日本と感性が違いますな。ぜひとも頑張っていただきたい。
初っ端から面白いものを見つつ、地下街を歩いていくと、左右に店が現れます。でも大半がシャッターを下ろしてます。どうやら時間が早すぎて開いてなかったようです。といっても着いたのは11時過ぎくらい。帰り際の12時くらいに開き始める店が多かったです。ただし夜は9時とか遅い時間までやってる店が多いようです。多分これが台湾流なんでしょう。こちらに行かれる方はお昼過ぎてから行くようにしてください。
でも早い時間から開けている店もありました。特にばっちり開いていたのがゲーム屋さん。台北地下街にはチェーン店の普雷伊を始めとして、10店近くのゲームショップがあります。店内は日本の小さなゲームショップに近いですが、白い内装で清潔感のある店が多いです。売っているゲームはPS3やXbox 360など日本と変わらず。台湾ではまだ未発売の3DSもちらほら見かけました。ソフトは中文版だけでなく海外版もあります。一番売れているのは「FF XIII-2」だそうで、先に日本語版が発売された後、遅れて中文版が出ています。
ゲームメーカーがショップで専用コーナーを持っているのも日本と同様です。ただしこっちは棚にソフトが置いてあるだけでなく、ショーケースにTVを置いてデモ映像を流すなど本格的にディスプレイされています。目立ったメーカーはコーエーテクモとバンダイナムコ。コーエーは以前から頑張ってましたが、バンナムもやけにあちこちで見かけるようになりました。キャラクターものが台湾で好評なんですかね?
あとゲームセンターも1店ありました。置いてあるゲームはセガのProject DIVAなど日本のものが大半。ちゃんと通信もしていて、日本のプレーヤーのハイスコアデータも届いていました。ただ店舗としては法律的な問題があるようで、クレーンゲームやバスケットボールゲームの中に少しだけ置いてあるという感じでした。
他にはメイド喫茶も2店。日本語がわかる店員もいるというお店はまだ開いてませんでした。そこまでは予想通りでしたが、まさか執事喫茶までできてるとは思いませんでした。台湾進んでるなあ。さらにカードゲームショップもあります。以前は1店舗だけでしたけど2店に増えてました。朝早いのに店内で遊んでるお客さんもいたり。あとはモデルガンショップなんかもあります。ファッション系のお店も結構あるんですけど、それらとオタ文化を並べてカジュアルっつーことにしてしまう台湾の心意気がよろしいですな。
台北地下街が終わり、同行者が行きたいというので行ってきました。台湾の秋葉原。正確には「Fatimaid」というメイド喫茶です。入店すると「お帰りなさいませ、ご主人様」と日本語で迎えてくれます。これは台湾のメイド喫茶ではどこでもそうらしいです。ただし店員さんが必ず日本語を話せるというわけでもなく。今回我々のテーブルを担当したメイドさんは、日本語は全然できないけれど英語はペラペラという不思議な人でした。西洋系が入ってる顔立ちだったのでハーフかもしらんですね。
で、こっちは英語がよくわかんないのでコミュニケーションに少々苦労しながら、ケーキとかドリンクとか頼みました。お値段ははっきり覚えてないですが、ドリンクとケーキだけでも400元くらいはしたような。日本円で1000円超えるので、台湾の人の価格感からすれば、日本で2000円以上になります。写真は相方が注文したワッフル&アイス。こっちはさらに値が張ります。メイド拝観料半端ない。なお店内は料理以外撮影禁止です。
休憩を終えて店の外に出てみると、まだ雨は止んだまま。これはどこか近場を観光してもいいんじゃね? ということで中正紀念堂へ向かいました。MRT中正紀念堂駅からすぐです。
中正というのは、中華民国初代総統、蒋介石のこと。蒋介石の死後に建てられたものだそうです。これだけ見ると、蒋介石という人は台湾でさぞ愛されたのだろう……と思ってしまいますが、実際はちょっと違うようです。詳しい話は4日目に見た某所の話も絡めながら、そちらで改めて。
中正紀念堂、とにかくでかいです。メインとなる建物のほかに、左右にも豪華で巨大な建物があり、後ろにはこれまた巨大な門があります。そして野球できそうなくらいのでかい広場。よくこんなもん作ったなあと思います。
紀念堂の中には蒋介石の巨大な像があり、その前に衛兵が立っています。この衛兵の交代が1時間に1回あり、その荘厳さは一見の価値あり、ということだったので時間を合わせて見に行きました。せっかくなので動画を撮影。……1時間に1回っていうから2分くらいで終わるのかと思ったら、10分以上もかかるんですな。これを毎時間やるとは大変です。
お次は本道に戻ってオタショップ巡りを再開。MRTで2つ隣の西門駅に行きます。西門は若者向けの街で、日本で言うところの原宿か渋谷辺りのイメージ。そしてこれまでの様子からわかるとおり、日本のオタ文化は台湾では「先進的でクール!」というイメージが多少はあるようなので、こういうところにアニメショップがあります。
適当に歩いていると、いきなりアニメイトを発見。店内は日本のアニメショップと似たような感じで、アニメ雑誌やコミックなどが売っています。コミックはほぼ全部が中文翻訳されていますが、アニメ雑誌は日本からそのまま持ってきたものも結構並んでいます。奥に行くと同人誌やアニメグッズ、カードゲームなども扱っていました。
他には「KT動漫精品」というお店。「動漫」というのがアニメのことのようです。こちらもコミックが中心ですが、グッズも豊富に置いています。中文翻訳されたラノベが結構揃っていたのが印象的。日本で発売されてまだ半年経たないような作品の翻訳版も売っていました。あと知ってる店がもう1つあったんですが、改装中なのか潰れたのか、フロアが工事中でした。残念。
ショップの品揃えを見る感じ、日本から半年くらいは遅れて人気が出ているようです。アニメの翻訳版が出回って(違法アップロードも含めて)しばらくしてからなので、概ね理解できるタイムラグ。「けいおん」辺りが品揃え豊富なのは日本と変わらんです。
アニメショップ以外では、萬年商業大楼にも行ってきました。ここはゲームやプラモの店がいっぱい入っています。光華商場よりもずっと古いビルで、店1つ1つも狭くて、ビルの通路もかなり細いです。台湾でオモチャ系のものを見たいなら訪れてみると楽しいと思います。
ここにはでかいゲーセンもあります。台北地下街にあった申し訳程度のものではなく、かなり本気のアミューズメントセンターです。戦場の絆や三国志大戦も置いてあり、日本と通信対戦していました。ラグ大丈夫? とか余計な心配したり。料金は戦場の絆が1プレイ50元、三国志大戦が40元だったような。日本円換算すると、日本の半額くらいですね。
そんな感じでオタショップ巡りは終了。この日はこれで終わり……ではなく、夜市に出かけました。台湾最大の夜市、士林夜市です。MRTで台北駅から北へ数駅、士林駅の1個手前(これ重要)の劍潭駅を降りてすぐのところにあります。
この士林夜市、以前は他の夜市と同様に青空市だったのですが、昨年くらいに整備されて、食べ物は地下のスペースに集約されました。フードコート、なんて気取った感じの入り口があります。中に入ると、店と人がぎっちり。確か着いたのが6時ごろだったし、平日だし大丈夫かなと思ったんですが、結構な混みようでした。
中は台湾の屋台料理が何でも揃っています。あれこれ目移りして仕方ないのですが、相方が臭豆腐の匂いに耐えられんというので、テキトーに買って早々に引き上げました。現地で魯肉飯(煮込んだ豚肉をご飯にかける庶民料理。とにかく安い)食べたかった……けど匂いは本当に強烈です。私は慣れたのかテンション高かったのか不思議とまあまあ平気でしたが、台湾人のサムさんでも「地下になったせいで匂いが混ざってすごいことになってる」というくらい。空調はしっかりしてますが、局所的にはすごいです。
買ったのは、バカでかいフライドチキン「雞排」が50元、揚げたクッキーみたいなのを砕いてクレープ状の生地で包んで食べるサクサクなお菓子「大餅包小餅」が35元、小さい肉まんが10元。雞排はとにかくボリュームあるし、「大餅包小餅」は日本では食べたことのない不思議な食感。肉まんも安くて小さいくせに具がしっかり入っていてジューシーでうまい。他にもとにかくいろいろあるので、1週間くらい通って片っ端から食べていきたいっす。
もちろん店員さんには日本語も英語も通じません。ただ観光客が多いところなので、メニューに日本語や英語が書いてある店が多いです。あとは適当に指さして「これちょうだい!」って言えばだいたい通じます。B級グルメは焼き加減がどーだ味付けがどーだと難しいことないから注文も楽でいいです。
といった辺りでホテルに引き上げ……ですが、相方は飯食ってないので、近場で美味しそうな牛肉麺の店を探して行くことに。牛肉麺というのは、文字通り牛肉の乗った麺。ラーメンに近いものを想像していただければ。これも台湾の庶民料理です。
行ったお店は、MRT雙連駅からすぐそこにある「老董牛肉細粉麺店」。2006年の国際牛肉麺コンテスト(そんなもんがあることに驚き)で優勝したお店です。その優勝したときのものがメニューとしてありますが、行ったときには品切れでした。代わりに一番高い「半筋半肉麺」を注文。高いといっても210元です。
「半筋半肉麺」はこれまた名前のとおり、牛肉とスジ肉が塊で入った牛肉麺です。牛肉のほうはよく煮込んだ柔らかい肉、という普通の感想ですが、面白いのはスジ肉のほう。犬がくわえて持ってきそうなスジの塊がドカッと3個入ってます。え、これ食うの? って感じ。恐る恐る歯を立ててみると、ほとんど抵抗なく噛み切れます。ほとんど寒天。柔らかすぎて笑えます。コラーゲンの塊ですな。麺もコシがあり、スープもしっかりした牛のエキスが出た味でなかなか美味しいです。夜市のものを食べた後でも1杯ぺろりといただきました。他に日本人らしき客もいたので、割と有名なお店みたいです。メニューも日本語のがあります。
というわけで、今度こそ3日目終了。雨がほとんど降らなかったおかげでいっぱい回れた1日でした。
4日目につづく。