男性が育休を取らない理由と反論


育休という名の一時無職をしております、フリージャーナリストの石田です。お世話になっております。本日は実体験をもとに、「なぜ男性は育休を取ろうしないのか」について、男性視点から考え、反論を添えてみたいと思います。

・育児は母親の仕事、父親は外で仕事。これで公平
→子育ては24時間仕事。外で8時間働いてきたなら、家で8時間育児して妻を休ませるのが公平。もちろん家事も半々で。

・育児なんてできない、おむつ替えるとか無理
→育児ができないなんて、子供ができてから言う権利はない。女性を妻にして子供を作った夫の責任の範疇。

・俺の父の頃は育休なんてなかった
→戦前世代までは、兄弟がいっぱいいて、祖父母もいて、近所づきあいも厚かったので、家族や周囲の助け合いで育児が成立していた。団塊ジュニア以降は一人っ子も一般的で、遠方の核家族化も進んで育児の手を借りられない状況。時代が違う。
→兄弟が多い時代は乳幼児の死亡率も高かった。今は晩婚化で1人生むのも大変なので、昔以上に乳幼児に死なれては困る。昔の育児よりも子供にかけるケアは手厚くすることが求められている。

・育休なんか取ったら会社の席なくなっちゃう
→あなたが会社にとって必要な人材なら、その席はなくならない。

・育休中の収入減が不安
→収入が短期間減っただけで食えなくなるほど厳しい財政状況であること自体が問題。今後突発的な事故などがあった時にも対応できないので、家計を根本的に見直すべき。

・妻1人で育児できないのがおかしい
→それなら自分は育児と家事の両方を1人でできるのか。会社で上司ができないことを自分にやれと言ってくるのは理不尽だと思うはず。それと同じ、家庭内パワハラみたいなもの。

・義母などに手伝ってもらえば?
→それができるならいいと思うが、距離的に難しいこともあれば、晩婚化のため父母も高齢だったり、祖父母等の介護で余裕がなかったりもする。

・そもそもなぜ男が育休を取らねばならないのか
→妻1人での育児は24時間365日ワンオペのマキシマムブラック。そんな仕事を家族に強いる一家の主でいいのか?

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要するに、男性は育児なんていう未経験のことはしたくないので、仕事を盾に逃げたいわけです。核家族で1人目の子供だったら「今までは2人分稼いできた。今後は3人分稼いでくる。家を支える俺って最高に偉い」と思いたいわけです。

でも実際のところ、育児をしない、家事もしない。ただ子供が成長する様を見るだけで、生活は変えない。家にお金を持ってくるのが自分の役目であり、それは至上であり最も困難な仕事だと思っている(思いたい)わけです。

対して妻の方は、専業主婦だったら今までの生活に出産育児という大仕事が単純に上乗せ。働いている人なら、産休や育休で仕事がストップするので、身重の状態で仕事の引継ぎ作業などに追われながら出産育児の準備。その後は出産育児の大仕事が来て、否応なく生活は激変します。否応なくです。男性のような選択肢はありません。

あと男性がとても誤解しがちなのが、「女性だから育児できて当然」と思い込んでいること。それは絶対に違います。自分の子供の育児を他の誰も手伝ってくれないなら、自分ひとりでやる以外の選択肢がないから、必死でやるんです。最初は誰だって初心者だしわからないことだらけです。

女性は出産だけでも大変なのに、すぐに育児で心身ともに疲労するんですから、地獄のような状況です。そんな時に夫が育児を手伝ってくれないどころか、家事のミスを指摘しようものなら、「こいつはクズだ」という一生分の認定がなされる、あるいは即時離婚に発展するなど、非常に重いジャッジが下されると思われます。

ですから男性も育児「参加」などとぬるいことを言わず、妻がいなくても子供を育てるくらいのつもりで主体性を持って挑む時代なのだと思います。

こうして書いてみて思ったことは、こんな時代に計画的に子供を作ろうなどと考える男は、相当なマゾ(仕事も育児も全力)、相当な無責任(育児なんか知らない)、相当な金持ち(育児は金で解決)、相当な大家族(育児は家族頼み)のいずれかだと思います。マゾでもなければ無責任でもなく、金持ちでも大家族でもなければ子供は作らない方がいいです……なんて話で誰が今から子育てするのか。まったく恐ろしい時代ですね。

晩婚化で妻の年齢が上がってからの育児となると、若い人よりも体力が落ちる分、相対的な育児の辛さが増します。この状況が続くと、「育児過労死」なんて言葉も日常的に耳にする時代になるのではないかと思います。

「なぜ男性は育休を取ろうしないのか」については、男性の育児に対する無理解が原因のように書きましたが、最大の要因は無理解ではなく無関心だと思います。自分が育児をやるということをそもそも想定していなくて、妻が全てやるものだと思い込んでいるわけです。それで何とかなるのは、「妻が仕方なく諦めの心境で頑張っている」から。育児中の家庭を持つ夫は、ハイパーブラックワンオペ育児の妻を救ってあげてください。

生物学的に、生まれた人は全員が結婚して、最低でも2人以上は子供が生まれないと、人口は減少します。合計特殊出生率という好意的な見方をする出生率ですら未だ1.45と低水準で、なおかつ高齢出産がさらに増えている状況。このまま行くと老齢人口の高比率はまだまだ続くので、政治家は若年層向けの施策を打てない(老人から票が取れなくなるから)という悪循環です。日本の猛烈な人口減少期は、将来日本人が絶滅する危険性を示されてもなお進むようです。

男性が育休を取らない理由と反論」への2件のフィードバック

  1. 超お久しぶりです。shidenです。お元気でしょうか。
    バーチャロンの新作がアナウンスされて真っ先に浮かんだのが
    wisさんとこでした。どんな反応を展開しているのかと
    期待に胸をときめかせながら久しぶりに覗いてみりゃ
    まったく予想もしなかった育児の話が展開されていたりと
    正直、開幕メガスピンハンマー食らった気分でございます。
    RYOくんに見せようものなら「お前も少しは手伝え」って
    当たらないSLCかましてきそう。
    もう寝ちゃってるので明日の朝にしますけど。

    そして約2年半遅れですけれど、ご結婚おめでとうございます。
    いつまでも仲良くすごしてくださいな。

  2. あらまーごぶさたです。そうなんです、結婚して子供もできました。そちらの子はもう小学校くらい?
    バーチャロンも何も反応できませんでしたけど(Twitterでコメントした程度)、出たらやりましょう。

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