JASGAに「ソーシャルゲームは悪じゃない」というアピールができるのか


一般社団法人ソーシャルゲーム協会(JASGA)が発足
NHNJ、グリー、CA、DeNA、ドワンゴ、ミクシィにCESA、JOGAも参加
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20121108_571743.html

以前はGREEやDeNAなどソーシャルプラットフォーム6社が集まってやっていたのを拡大したようなイメージで、ソーシャルゲーム協会が発足しました。今回は「発足しました」の発表で留まっているような内容ですが、そこまで発表を急いだ理由はいくつか見えます。

まずソーシャルゲームは、海外でも急激にシェアを拡大しつつある、日本で最も勢いのあるコンテンツビジネスです。これは産業として確立していく大きなチャンスです。しかし各社が勝手にやっているだけでは何かと収集がつかず、国からの支援も受けづらいので、こういう団体を用意していた方が都合がいいだろうというのがあります。

また昨今さまざま報道されているとおり、ソーシャルゲームはコンプガチャ問題に始まる課題を抱えています。ただでさえソーシャルゲーム関連企業はあまりの急成長ぶりから、嫌儲思想のターゲットにされ疎まれているだけに、黙っていると「ソーシャルゲーム=悪」という図式が世間に浸透しかねません。それを未然に防ぐため、業界が一丸となって対策を講じていく必要があります。

もっと言えばソーシャルゲーム業界は、コンプガチャ問題のように、法律で縛られることを恐れています。「ソーシャルゲームは金を搾り取るばかりの悪の権化だ」という世論がまかり通っていけば、それに押されて規制をかける法律が作られないとも限りません。そうなっては国外に打って出られる一大産業の勢いは大きく削がれます。そこで「俺らはちゃんと自主規制していきますよ」という姿勢を急ぎ見せる必要があった、というのもあります。

ソーシャルゲームに対して個人的な意見を言わせてもらうと、それそのものは決して悪ではないと思っています。確かに人間の心理を突いて巧みに金を落とさせる仕組みがあり、それがノウハウとしてできあがっているという怖い世界ではあります。でもそれはパチンコの演出も一緒で、負けても次当たりそう! という気持ちを持たせる仕組みがあります。そうやって人の心理を突いて大金を使わせるのが悪だというなら、さっさと各種ギャンブルも悪にして法で縛ってしまえーというのが私の持論です。

一切ギャンブルをしない私がこのように「ソーシャルゲームで大金を使うことを批判されるなら、パチンコや競馬でそれ以上使って身を崩す奴のほうが何百倍多かろう」と言うと、「ギャンブルは金が戻ってくることもある。ソーシャルゲームは取られる一方だ。きわめて悪質だ」みたいな反論が来て、意外とみんなそれに納得しちゃうので困ります。戻ってくるかどうかは問題じゃなく、結果的に身を滅ぼす人の数・割合が多い方が、社会的問題性は高いはずなんですけど。

結局のところソーシャルゲームもギャンブルも、金を使うかどうかは本人の自制心次第です。私自身、とあるゲームで勉強のつもりでコンプガチャに1万円突っ込んでレアカードを取ったことがありますけど、2度目をやろうとは思いませんでした。その後もゲームを遊んでいる代金を払うつもりで、ちょこっとずつ課金しながら遊ぶスタイルを決め込んでいて、どんなゲームでもそれを破ったことはないです。程よく楽しく遊ばせてもらってます。

しかしながらこの問題は、「自制心がない奴が悪い」を結論にすると何にも解決しないんで、「自制心がない人」を基準に考えていかねばならないという宿命なのです。JASGAがそこをどう対処するのかが見ものです。

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